人見知りの私が社長になるまで 第二話

前回からの続き

コンピューターの専門学校に行くために2年間で250万円貯めた山本。
しかし、ある日突然、残高が62円になってしまう事件が起こる。
失望の中、たまたま本屋で見つけた「思考は現実化する」と言う本に刺激を受け、次第に独立起業への想いを強めてゆくのだが、、、

21歳から、漠然と独立起業を考えていましたが、とりあえず、何をやればいいのかわからなかったので2年ほど、独学でコンピューターの勉強をしながら、フリーター生活をしました。

自動車教習所教官、建設現場、ティッシュ配り、警備員、吉野家、コンサートチケット取り、さまざまなアルバイトを経験しました。

そんな、モヤモヤしたフリーター生活を過ごしていたある日、ふと求人雑誌を見ていたら『コンピューター技術者募集・未経験者も一から教育します』
という派遣会社の求人が目にとまりました。

早速、電話すると、偶然社長が出て
「若い子はいろいろな可能性があるので、経験がなくても、一から教えますよ。とりあえず面接にきてみなさい」
と、電話越しに温かそうな人柄が伝わってきました。すぐに面接して頂き採用。
会社は大阪だったので、和歌山からの通勤で、求人広告どおり、最初は会社内でのパソコン研修でした。

入社して、一週間位で社長から「某橋梁メーカーの大型電算機のオペレーションの仕事があるので、大阪に社宅を用意するから、やってみるか」と言われ、しかし、研修がまだ途中なのにという思いと、大型電算機なんて触ったこともないので「大型電算機なんて、全然わからないので難しいです」と言って一旦は断りました。しかし社長は「入ってしまえばなんとかなる、派遣先の面接の時は、何を言われても*大丈夫です*、と答えるように」と半ば強引にそこに行くことになりました。

派遣先面接の時も、社長の言うとおり、何を言われても「出来ます」「大丈夫です」と答えるだけでしたが、採用となりました。

すぐに和歌山から大阪へ引っ越し、一人暮らしスタート。社長の言うとおり、仕事自体は入ってしまえば何とかなるものでした。最初は複雑に見えた仕事も、一通り覚えてしまえば、仕事自体はすごく楽で、電算室に一人きりでしたので、合間で本を読んだりできました。

それから2年ほど経った頃、あまりにも楽な仕事で「ここに居ても成長がない」という思いが日に日に強くなってくる自分がいました。そこで、昔から漠然と考えていた独立起業に向けて第一歩を踏み出そうと思い、とにかく独立起業するには、営業力が必要になるだろうと思い、営業職に転職することを決意。

そして、退職する報告を、社長にすることにしました。

「いままで、お世話になりありがとうございました。誠に申し訳ないのですが、実は来月末で退職したいのですが、よろしいでしょうか?」と伝えると、社長はいつもどおり柔和な笑顔を浮かべながら、「なんとか、考え直すことは出来ないのか」と言いました。

しかし、僕の決意は固く「今後の人生を見据えての判断です。わがままで申し訳ございませんが、退職させて下さい」と社長の目をまっすぐ見つめ言ったのです。

この時、これほどまでに人の恐ろしさを知らされる事になろうとは全く想像出来ませんでした。

何度か、社長との押し問答が続いた後でした。いつも柔和な笑顔で、温かそうな人柄の社長が、鬼の様な形相にみるみる一変、大阪人独特の喧嘩口調で

「おまえは、何ナメたことを言ってるんや!!和歌山の片田舎から、大阪に来させてやったんは、誰やと思ってるんや!!。おまえ、この業界で生きていかれへんようにしたる。辞めていいから、覚悟しとけ!!もう、顔も見たくないから去れ!!」

信頼していた社長から罵声を浴びせられ、ショックで混乱してしまい、逃げるように、社長室から去ったのです。

後で会社の先輩から聞いた話ですが、辞めていく社員には、必ず罵声を浴びせている社長の様でした。

とにかく残りの一ヵ月で業務の引継ぎを終了させ、退社ました。

早速いろいろな営業会社に面接しに行き、通信代理店会社では、大手のN社に入社しました。

余談ですが、独立起業してから2年後、その社長に「マイラインの販売店しませんか」と提案しにいきました。その時は、柔和な笑顔の温かな人柄の社長で「儲かるんやったらやってみようか!!」と意気投合。販売店として、一緒に仕事をしていた時期がありました。

さて、意気揚々と入社したN社ですが、入社後2週間で上司から「おまえは営業に向いていない、違う仕事を探したら」と言われる始末。

私の営業人生は最悪のスタートを切ったかに思えました。

しかし、ここから、今の「高確率セールス」につながる営業手法を編み出す事になるとは思ってもみませんでした、、、

次号に続く

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